見ないふり

『闇の子供達 -値札のついた命-』(阪本順治:監督 2008)のDVDを観ました。梁石日の同名の小説を映画化したもの。タイを舞台にした幼児売春と臓器売買がテーマの話です。あくまでフィクション(特に臓器売買の話は大味すぎる。ちなみに映画公開当時はノンフィクション映画と宣伝されていたけれど・・・)であるので、ストーリーはやや緩慢。けれど、幼児売春のシーンは相当生々しいし、なにより最後の江口洋介演じる新聞記者が自殺するシーンは、日本人の高みの見物を逆説的に痛烈に批判している。そこには、この映画を観て「かわいそう!」とか憤ってる人間に対する批判が込められている。これはかなり観ている者としては後味が悪い。最近サラッした映画しか観ていなかったけれど、久しぶりに心に引っかかるモノに出会ったので一言残しておきます。